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茶事には声に出さない合図、伝言がいろいろあります。

まずは入り口から。
門が少し開いていたら
「準備が整いました。どうぞお入り下さい」
客はキチンと締め切り
「全員伺いました」

頃合を見てお湯が出され、「どうぞ腰掛へ」とご案内があります。
全員出たらパチンと戸を閉めて
「全員、腰掛に移りました」

亭主が枝折り戸を開けて目礼。
「どうぞ蹲にお進みください」
最後の客が枝折り戸を閉めて
「腰掛には誰もいません」

部屋に全員入ったらパチンと戸を閉め
「みんな入室しました」

食事時の合図は前回お話ししましたね。

詰が器や鉢を給仕口に返すのは、
「美味しくいただきましたので、少しお手伝いさせてください」
届けられた順番に左から並べます。(亭主側から見ると右から)
それは亭主が右手で取り込みやすいようにという配慮。

食べるときは自分のペース・・ではなく、まわりと歩調を合わせます。
同時にすべてが流れるように、遅過ぎず、早過ぎず。

おかずは全員でちょうどの量だから、取り過ぎず、少な過ぎず。

最後に湯斗でお湯が出るのは、禅寺の食作法から来ています。
修行僧は食器を洗わず仕舞うので、
最後にお湯ですすぎ、残さず頂くことに由来します。
タクワンなどをスポンジ代わりに汁椀の汚れをこそげ
飯椀に移し、一口残したご飯を湯漬けにします。

ここでお願い。
次に什器の汁気を拭いますが、紙で擦らないで下さいね。
塗り物に細かいキズがつき曇りますから。
軽く押える位でいいんです。
店主の懐石道具は、漆塗りの中でも丈夫な輪島塗にしたのですが・・・
がんばって奮発しましたので、ちょっとションボリな気分なの。

全員そろって箸を落とし、
「いただき終わりました。お膳を引きに来てください」


「入りましたよー」とか
「食べ終わりましたよー」とか
声に出すことは無いので、合図は的確にはっきりと。
意味を知ると、 色いろいろ紫陽花盛り
身体は自然に動きます。

教本で学べることは事前に必ず目を通しておく。
教本に書いてないことを、実際の場で学んでいく。
それが茶事を楽しむコツでもあります。


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【2012/06/13 22:01】 | お茶事のこと
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2012/06/18(Mon) 23:08:05 |  まとめwoネタ速neo